2018/08/15
「前回」の続きで、チューブレスレディタイヤの装着とチューブレス化の方法まとめ。なお前回同様、「
IRC Formula PRO TUBELESS チューブレスタイヤの着脱方法」は必読。
面倒ですが、チューブレスタイヤは構造を理解しないと歯が立たないので。
チューブレスレディタイヤ装着で準備するもの
石鹸水(軽く泡立つ程度)と、床の水濡れを防ぐ敷物。
チューブレス化する場合はさらにシーラント、チューブレス用バルブ、シーラント用の注射器、CO2インフレータを追加。
チューブレスタイヤの装着には、石鹸水が絶対に必要。全く濡れていない時はギチギチに締まって侵入を拒んでいたのがアラ不思議、石鹸水でちょいと濡らしてやれば呆れるほどすんなり入ります。
チューブレスタイヤのビード上げも、よっぽど数をこなさない限りは高価な専用ポンプ/チャージャータンクでなくCO2インフレータで代用可。ワールドサイクルとかだと200円しないし。
タイヤにビードをはめていく
最初にホイールのリムに石鹸水を指で軽く塗ります。床に垂れたり、タイヤを必要以上に湿らせてしまうので塗り過ぎはNG。
チューブレス用バルブをつける時は、バルブコア・バルブ固定ナットもしっかり締める。
次に片方のビードをはめます。
ここまではともかく、問題は後からはめる方のビード。
キモは
「バルブ付近のビードを最後にはめる事」と「バルブ付近のまだはめてない方のビードを片手で押さえつつ、余った片手でタイヤを揉んでこじって、最初にはめたビードを、後からはめたい方のビードの下に潜りこませる事」。
IRCの説明まんま?実際その通りだけど手でこの感覚を掴むのは結構難しかった。
上手くいけばダメな時とは手応えが明らかに変わり、タイヤレバーも軍手もいらないほどアッサリはまります。
というより、タイヤレバーで強引に作業しなくてはならない時点で、上手くビードを動かせてない恐れがあるかも?
両方のビードがタイヤにはまったらタイヤ全体をよく揉んで、両方のビードをリム中央の溝に「均等に」落とします。
特にバルブ周辺は注意、ここがちゃんと出来てないと後の作業が上手く行きません。
空気を入れてビードを上げる
ここから空気を入れていきますが、手持ちのフロアポンプでは空気が抜けるスピードに追いつけず断念。
そこで最初をCO2インフレータ、すかさずポンプへバトンタッチして空気圧上限まで空気を入れる作戦へ変更。
幸い一発で成功!パチパチパチン!と小気味良い音が鳴り響いてビードが上がり、リムラインがはっきり見えるようになりました。
なおCO2インフレータで入れた炭酸ガスは空気に比べてあっという間に抜けてしまうため、フロアポンプを使って空気を抜いては上限まで空気を入れる、という作業を数回繰り返してから次の作業へ進みます。
あとパンク修理のためにチューブを入れる場合だと、このステップは格段に簡単になります。
万一を考えれば、チューブレスでも予備チューブと石鹸水、CO2インフレータは携帯するべきだと思う。
もしくはタイヤの外から貼れる応急パッチ。リムラインが均等かチェックする
空気を入れ終わったらリムライン(タイヤのリム寄りにあるインジケータ的なもの、どう出てればOKかはメーカー写真などでチェック)が、タイヤの左右および全周にわたって均一に出ている事をチェックします。
Resoluteのリムラインは写真のベージュ部分。リムのすぐ近く、1mmくらいの線が見えますか?
ビードがうまく上がっていないと、このリムラインは全く見えません。
リムラインが綺麗に出てないのはNGなので空気を抜き、リムにキッチリはまってない方のビードを揉んだり、ビードとリムの隙間に石鹸水チョイ足しながら空気入れる、を繰り返し。
リムラインに問題がなければ次の作業へ進みます。チューブド運用の場合はここで作業完了です。
シーラントを注入する
チューブレス化する場合は、続けてシーラントを注入します。
シーラントって何?って方は「
こちら」をどうぞ。
タイヤの空気を抜き、バルブコアを外す。
シーラントのボトルをよく振り、注射器へシーラントを投入する。
シーラントの量はマニュアルに従い、タイヤ一本につき2オンス=60cc。23Cロードタイヤだと30ccで十分らしいですが、42Cタイヤなのでマニュアルに従うべきと判断。
再び空気を入れますが、ここから先は「バルブの向き」に注意して下さい。バルブが下、つまり空気の出入口が上を向いている状態だと、シーラントがバルブから噴出してしまうのだとか。
やってみたいけど、ポンプごとオシャカになりそうなので止めておこう。
タイヤをゆっくり、3分ほど回してシーラントをタイヤ内部全体に行き渡らせる(本によっては10分くらいとかあります)。
上限まで空気を入れ、隙間からシーラントが漏れていないか(漏れたシーラントが穴を塞いでくれてるか)、リムラインがちゃんと出ているか、空気漏れがおさまっているかをチェック。
まだ空気漏れが続いていても慌てず、空気を出し入れしたり、ホイール回したり、シーラント足したり、時間が解決してくれるのを待ったりします。
あとは一晩寝かせて馴染ませて、翌日の空気圧チェックで問題なければようやく完了。
お疲れ様でした!
なおシーラントは、おおよそ半年に一度の補充が必要らしいです。
実走前のチェックポイント
チューブを使用しないチューブレスレディ、チューブレスタイヤはチューブドに比べて空気の抜けるスピードが早いらしい。
しかし60PSI入れた空気が一晩明けたら20PSIまで落ちてるとかは明らかに異常なので、実走前に以下をチェック。
バルブコアとかバルブナットが緩んでいないか?どこかが緩んでいるとスローパンク的に空気が抜けるので、ちゃんと締めましょう。
バルブコア外したら、虫ゴム部分に固まったシーラントなどの異物噛んでないかチェック。
ビードが完全に馴染んでないかも?チューブレスレディはビードとシーラントが、チューブレスはビードが空気を保持します。
しかしタイヤを装着した直後はビードやシーラントが完全に馴染んでおらず、空気を保持しきれない事がままあるそうです。
実際、管理人が作業した時は毎日空気を足してても、馴染むまで4日ほど掛かりました。
コンプレッサー使用の有無とかホイールとタイヤの組み合わせとか、様々な要因で馴染むまでの時間は変わるそうです。
チューブレス化完了の感想
セッティングが大変なチューブレスレディのチューブレス化ですが、それなりの見返りはあります。
- 普段からシーラント入れてるので、小さな穴程度なら塞がってパンクまで至らない。
- チューブが無いからリム打ちパンクの心配が無い。
- ちょっと裂けた程度ならクリンチャー同様にタイヤブートとチューブで応急措置できるらしい。やった事ないけど。
修理の手間はともかく、チューブレスはクリンチャーよりもパンクしにくいのは確かでしょう。
怖いのはサイドカットですが、むしろチューブレスレディをチューブド運用するのは悪手じゃないかと。
チューブレスレディの時点でチューブド運用でもチューブレス運用でも、パンク修理がシンドイ点は同じですもん。
何よりチューブレス化すれば乗り心地が劇的に向上します。
チューブド運用の時点でも十分ムチムチボインだったのが、チューブレス化したらシットリモチモチのキメ細やかさまで加わるので。ああいいぞもっとだ!もっと甘やかしてくれ!
さあ君もノーチューブノープロブレムなチューブレスの世界を覗いてみないか?その他TIPS
- 買ったばかりのタイヤについている折り癖は、裏返して置いとくと良い感じに取れるらしい。
おまじない程度かもしれないが、実際しわくちゃだし効果があるような気がする。
- どーやっても時間経過で空気がだだ漏れる場合は、タイヤそのもののパンクを疑う。
外したタイヤを水に沈めて、気泡があればチューブレス用のパッチ使う。
- タイヤ前後のローテーション間違えないように。
やったぁ!もう一回練習できるぅ!(白目)
今回使ったもの